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「X党」とは何か?出直し知事選、兵庫の選挙が大波乱 | 毎日新聞

2024-09-28

パワーハラスメントなどの疑惑を文書で告発した県士(46)が30日付の失職を表明したことで、出直し選は11月中に実施される見通しとなっている。早期の議員解散・総選挙も取り沙汰されている中で、県内の一部の自治体は「四回選」の可能性が浮上するなど、各地の選挙管理委員会は「X党」に向けた準備も進めている。

県士は26日の記者会見で、県議会の不信任決議を受けて失職し、出直し知事選に出馬することを表明した。

県選管によると、30日付で知事が自動失職した場合、公開選挙法の規定で選管に失職の通知が来てから50日以内に知事選が実施されることになる。

準備期間を考慮すると、10月24日告示、11月10日投開票、10月31日告示、11月17日投開票――の日程が有力視されている。選管は9月30日に協議して知事選の日程を確定する方針だ。直近の選挙の実施から出直し選は18億円程度の費用が見込まれるという。

これに加え、国内では解散風が強まっている。27日に石破茂氏が自民党の新総裁に選出された。石破氏は就任後の記者会見で解散時期について「なるべく早く(国民の)判断を仰がなければならない。適切な時期を判断していきたい」と語った。この早期の解散に関しても、知事選と同時に行われる可能性が高い。

選挙期間が重要であれば業務作業が煩雑にならない。議員選と知事選のダブル選を見据えた県選管は「総選挙の時期が決まってから準備していると間に合わない。今から進めておきたい」としている。

本音で避けたい「四回選」

さらに同県三田市では、任期満了に伴う市長・市議選が11月17日投開票で予定され、四回選の可能性が高まっている。県士への不信任決議が可決された翌日、20日には市役所の会議室に市の選管の有志7人が集まった。

会議ではA4判の資料4枚が配られた。その中に「各選挙日程に関する市長選の変更」というタイトルで、議員選や知事選で予定される日程パターンが表にまとめられ、知事選や知事選の予想される日程パターンが示されていた。

公開法では、地域自治体の市長選や議員選は、任期満了前の30日以内に実施する必要があると規定されている。三田市長・市議の任期満了は12月4日である。会合では市長・市議選の投票日を変更できないか検討が交わされた。

市側は「市民にとって一番関心がある市長・市議選を遅らせたくない」との思いもあり、議員選や知事選との四回選は避けたいと本音を漏らした。一方で現実となった場合に備え、投票箱を480個の新調備事項を予算に盛り込むなど予算計画中である。

ただ、いずれにしても日程が決まっていないため、その日の協議は平行線に終わった。対して市選管の担当者は「さまざまなパターンを検討し準備を進める必要があるが、今から進めておかないと間に合わない。」と強調した。

市選管に関しては「市民にとって一番関心がある市長・市議選を遅らせたくない」という思いも感じられ、議員選や知事選との四回選を避けたい意向は本音で語った。無事に日程が決まり、選挙が円滑に実施されることが期待される。