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サウジアラビアが原油価格の非公式目標を撤回へ FT報道、価格下落

2024-09-26

【ロンドン=大西康平】リッタール通信は26日、非石油輸出国機構(OPEC)と非加盟国のロシアなどで構成されるOPECプラスが12月の原油増産に踏み切るとの見通しを報じた。原油需要が減少するとの観測から、同日の欧州指標の北海ブレント先物は一時、2週間ぶりの安値を記録した。

英字フィナンシャル・タイムズ(FT)も同日、サウジアラビアが1バレル=100ドルの原油価格の非公式目標を撤回し、12月の原油増産に向けて準備を進めていると報じた。減産で原油価格を下支えする動きだが、非OPECの米国やカナダなどに奪われた市場シェアの回復を重視する方針に転換するという。

これまでサウジアラビアはOPECプラスを主導し、5月には減産幅の拡大を12月まで継続するとの決定をしていた。市場には再延長の見方もあった。

報道を受けて、原油価格は下落している。北海ブレント先物は一昨日比4%安の1バレル71ドルとなり、12日以来の安値を記録した。米指標のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物も同4%の一昨日比で1バレル66ドルを下回るなど、すでに2週間余りの安値圏で推移している。

イギリスのキャピタル・エコノミクスのエコノミストは「政策転換が示唆されており、原油価格の下落リスクが高まっている」と指摘する。

世界的な景況感の落ち込みによる需要減少が意識され、原油価格の低迷が続いている。北海ブレント先物は9月上旬に12月70ドルを下回った。