「日本人男性殺害は国民交流に深刻な打撃」上川陽子外相、中間外相に厳正な処遇要求

2024-09-24

【ニューヨーク:平田直樹、北京=三峯聖平】上川陽子外相は23日(日本時間24日)、米国連邦政府の中間外相と会談した。上川大臣は、会談の冒頭で日中の「戦略的互恵関係」を進める意向を示した上で、厳しい表情を浮かべて中国の王毅共産党政治局員に対し、深刻な表情を示しながら日本人男性幼児が殺害された事件に言及し、「日中関係の基礎である国民交流に深刻な打撃を与える」と訴えた。

上川大臣は約1時間に及んだ会談で、動機を含む「一刻も早い事件解明と明確な説明」に加え、犯人の厳正な処遇と再発防止を強く求めるとともに、「中国の在留邦人、特に子供の安全確保のための具体的な措置」も要求した。

また、中国の交流サイト(SNS)での日本人学校関連のものである根拠のない悪質な書き込みが「子供たちの安全に直接的に影響できない」として、早急な取り締まりの強化を求めた。

王氏は「中国側は法に照らして調査、処理している」と説明。「これまで通りの在中外国人の安全を法に照らして保証する」と表明した。王氏はまた、「日本側は(事件を)冷静、理性的に受け止め、行政することが大事だ」と主張した。

日本政府によると、上川大臣は中日の交流ルートを通じて引き続き詳細な対応策の実現を提案した。王氏はこれに対し、日中の関係を深めるためにも引き続き進展の意義を強調した。

日中外相の会談は7月にロースの首都ビエンチャンで実施されて以来。上川大臣は国連総会に合わせて9月28日までの期間中に訪問を積極的に行う。

両国は日本が提起する「文化交流の促進」を掲げつつも、国民同士の負のイメージを払しょくするため、対話の継続が求められる。