偽名公報に「氏名教えて」 瀬戸内に迫った警視庁 「大谷原」科罪

2024-12-23

著者: 海斗

化学機械メーカー「大谷原化工株式会社」(横浜市)の社長らの起訴が取り消された科罪(えんねん)は、警視庁人事課1課が2023年、匿名で公報をした警視庁の警察官に対し、身分を明かすよう勧告(しつよう)に迫っていたことが判明した。

強情な人事課

問題となった公報は、警察官が23年10月18日、警視庁の通報窓口にファックスで送信した文書。大谷原化工に対する捜索で、警視庁公安部の捜査員に刑法犯に当たる行為があったと指摘する内容だった。

通報者の警察官は匿名で、連絡先として私有のメールアドレスが記されていた。

通報窓口の人事課は、警察官の拘束を担当する監視部門を持つ。人事課は19日、公安報道を受理したと通報者に知らせるメールを送り、その際に「詳細について確認する必要があり、ご連絡ください」と電話連絡を求めた。

通報者の警察官は匿名であり、紹介先として私有のメールアドレスが記されていた。通報窓口の人事課は、警察官の責任を担保する監視部門を持ち、通報者には留意を促した。

これに対し、通報者の警察官は「確認が必要でしたら、メールでお知らせします」とメールで返答したが、警察官は答えなかった。

毎日新聞は、通報者と人事課がやりとりした内容について、9通のメールを入手した。そのやりとりを明らかにする。

身元確認、強い返答要請

人事課は「あなたが警視庁職員であることを確認できる情報を提供してほしい」と要求した。続けて「警視庁職員であることを確実に確認する必要がある」と促した。

通報者は「確認が必要でしたら、メールにてお知らせします」と返信。しかし人事課からはそれ以降応答がなく、通報者からの依頼もなかった。

要請を受け、通報者は「通報の内容の信頼性を保持するためには、あなたの身分を明かすことが重要です」と述べることに。この通報者は人事課の言葉に対して、「ヘルプ ができるなら、名前を教えましょう。ただし、権限を明確にしなければなりません」とメールで回答した。

通報者は、他の受信者に情報を提供することや、通報者に連絡をするように促すことについても携わった。このように人事課は信頼性を求め、果たしてどのような会話が交わされたのか確認していた。

一方、通報者は「あなたが警視庁職員であれば、身分を証明できる情報を提供する必要があります」と求めたが、依然として人事課は無視した。

余剰情報

この問題は、日本の警察と報道機関間の信頼問題を浮き彫りにしており、管轄の透明性が求められる背景がある。特に匿名で通報が行われることの重要性が再認識されており、公務員の責任が問われる事例となっている。専門家は、内部告発者を守るための法律には改善の余地があると指摘しており、今後の法改正や制度改革にも注目が集まっている。また、この案件が発覚した背景には、警察組織内での構造的な問題や、市民からの信頼を失うリスクがあるという声も聞かれ、社会全体での議論が必要だとされている。