科学
深海生物の4分の1、絶滅の危険がある新たな研究結果
2025-01-09
著者: 蒼太
【AFP=時事】深海に生息する魚や甲殻類など、四分の一の深海生物が絶滅の危険にさらされているとの新たな研究が、8日に発表された。報告は「ネイチャー」に掲載された。
この深海の生物多様性を維持するためには、海洋環境への影響を最小限に抑える必要がある。特に漁業や気候変動が影響を及ぼしているとされ、深海域は地球の表面積の1%未満に過ぎないが、その中には全生物種の多くが生息している。
研究者たちによると、約100万種の深海生物の中で、漁業の影響を受ける魚類の半数と、甲殻類の3分の1が既に絶滅の危機にさらされているという。この状況は、二酸化炭素の増加や海洋温度の上昇とも関連していて、海洋生物の生息地を変化させる要因になっている。
さらに、地球温暖化の影響で、深海の食物連鎖も脅かされている。例えば、魚類や甲殻類が新しく出現する外来種や気候変動に適応できず絶滅するリスクが高まっている。また、産業活動やプラスチック汚染が深海生物に与える影響も懸念されている。
1500年以降、深海生物89種が絶滅したと報告されており、さらには178種が同じ運命に直面している。研究者たちは、「これらの状況に対策を講じることが急務であり、絶滅を防ぐために持続可能な漁業と保護活動を強化しなければならない」と警告している。
深海生物の減少は、温暖化の影響や環境への負荷を軽減するための重要な対策が求められることを示唆している。特に、漁業管理や域内の保護政策が、未来の海洋生態系を健康に保ち、持続可能性を確保する鍵になるだろう。