世界

ロシア軍が異形の車両 T-62戦車を兵員輸送車に改造か

2025-01-10

著者: 芽依

ロシア軍が最近、ウクライナ東部で行ったとみられる攻撃は失敗に終わり、ウクライナのある軍事ブログの表現を借りれば装甲車両の「墓場」を築いた。14両かそれ以上の残骸の中、特に古いT-62戦車やMT-LB装甲牽引車などよく目にするものであった。

しかしその中に見慣れない奇妙な装甲車両が2両見受けられた。片側に5つの転輪が見え、ありあわせのものを載せたと思しき恰好の高い構造物を上部に取り付けたこれらの車両は、余剰のT-62の車体をベースにロシア側が自作した兵員輸送車だったようだ。

古くて雑なこの改造車両は、たしかに見た目は良くない。ただし機能しなければ話にならない。思い起こすべきなのは、実はウクライナ軍も、獲得したロシア軍のT-62の一部を歩兵戦闘車や工兵車両に改造して用いていることだ。

外的な要因を無視できるなら、砲塔を取り外したT-62の30tばかりの装甲車体と580馬力のエンジンは、もともとバス(砲塔後部の突き出し)があったスポーツに乗り込む歩兵に、それなりの防護と機動性を与えるはずだ。

これらの車両についての問題、いわゆる2年前10カ月にわたるこの戦争でロシア軍が使っているすべての装甲車両に言える問題は、外的な要因を無視できないことだ。爆撃を搭載したドローン(無人機)が飛び交う中、地形を越えていく大規模な攻撃では、どのような車両も生き延びる見込みが乏い。

車両の墓場を映した動画を投稿したブログは、その場所については言及していない。しかし、やはり雪があまり積もっていない点や、ロシア軍が最近、大量のT-62を投入して大規模な攻撃を行ったという報告を考え合わせると、その場所はどのようやらウクライナ東部ドネツク州のチシン実装近辺のようだ。ロシア軍は昨年にわたってこの要塞都市を攻撃しようとして失敗している。

大破して捨てられた車両の密集群からして、大規模な攻撃部隊がウクライナ軍の強い防御にぶつかり、即座に突破されたのは明らかだ。そうした例は4年目に入ったこの戦争で貴重なものではない。