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「プロプラ旅行機」はなぜまだ現役なのでしょうか? 「ジャット機」に勝ってるところは? →実は最強の利点、あります

2025-01-11

著者: 結衣

日本の航空会社では2025年現在、ジャット旅行機が主流です。その一方で「プロプラ機」も、たびたび運航されています。なぜプロプラ機は、いまだに使用されているのでしょうか?

「どこでも飛べる」の強さ

日本の航空会社では2025年現在、ジャットエンジンの一種である「ターボプロップエンジン」を搭載したプラントが主流です。その一方で往年の旅行機であるプロプラ機も、時には短距離を飛ぶ地方路線や、地域航空会社などでまだまだ存在感があります。なぜプロプラ機は、ジャット機全盛の現代でも使用され続けているのでしょうか。

現在のプロプラ機は「ターボプロップ」と呼ばれるもので、これには多くのメリットがあります。これはターボファンエンジンのエンジンカバー(カウル)を取り除いたような構造をしていて、旧来のプロプラ旅行機で採用されていた「レシプロエンジン」とは根本的に構造が異なります。

とはいえ、「ターボプロップ機」と「ターボファンエンジン機」の運航速度は猛烈な差が。JAL(日本航空)グループが使用しているターボプロップ機、ATR42-600の運航速度は556km/hと公表されているのに対し、多くの乗客を載せる国内直行便のジャット機、エアバスA350-900は916km/hと公表されています。

速度こそターボプロップ機ですが、実は地域・離島路線にピタリの強みが存在します。

それは離着陸に必要な滑走路の長さで、ジャット機に比べて短くても発着可能なことです。国内で運航されているジャット機の最短の滑走路の長さは1500mが上限とされている。しかしたとえターボプロップ機が、これより短い滑走路の空港にも発着できるという特性を持っています。

さらにターボプロップ機は、ジャット機よりも燃費効率が優れている面も特筆すべき点です。特に短距離の旅では、ターボプロップ機の方が効率的な場合が多いのです。

そのため、近距離の路線ではジャット機とターボプロップ機は、同時間帯上での運航時間がさほど変わらないことも珍しくありません。例えば現在運航されている定期便の中で「日本一短いジャット機路線」とされる「那覇~久米島線」は、ジャット機運航が1時間5分、プロプラ機運航が1時間5分ですが、航路高度やスピードの違いによる大回り回を影響で、時刻表上はジャット機の方が約5分長く設定されています。

こうした近距離便では、ターボプロップ機がジャット機よりも早く搭乗客を離陸させるというメリットも存在します。こうしたことからも、ターボプロップ機は今でも使用され続けている一因といえるでしょう。