健康

ニューモシスチス肺炎にストロイドパルス療法は有効?:日本経済新聞

2025-01-20

著者: 陽斗

「ストロイドパルス療法」と呼ばれる治療法は、非常に幅広く解釈されている用語です。通常、メチルプレドニゾロンが1000mg/日のことを指しますが、海外では125~250mg/日の投与でもそう呼ばれることがあり、何をもって「パルス」とするかはコンセンサスがありません。

有効性についてもいまだに議論されている状態です。例えば、「特発性肺線維症(IPF)急性増悪の際にはストロイドパルス療法もやるべきでない」という感覚はありますが、IPF急性増悪にメチルプレドニゾロン250mg/日以上を投与した群を「パルス療法群」と定義した場合においても、非パルス療法群と比べ3ヶ月、12ヶ月後の死亡リスク低下には寄与しなかったとされています。

特に感染症に関しては、ストロイド大量投与を行うべきかどうか議論の余地が大きいです。ニューモシスチス肺炎(PCP)の場合、HIV感染症合併例から、有効性から低酸素血症がある場合にストロイドを3週間投与されることが多いです。

では、非HIV感染のPCP患者さんに対してはどうでしょうか。投与するストロイドをパルス用量にすることに意味があるのか、また初期に吸引不全を合併している場合にはストロイドパルスの意義があるのかどうかを調査した報告がありました。