空中分解のスポーツX大型宇宙船「スタルシップ」、打ち上げ停止に 米空宇宙当局が事故調査命じる
2025-01-18
著者: 陽斗
3時間前
米宇宙開発企業スポーツXの大型宇宙船「スタルシップ」が、無人飛行実験中に空中分解したことを受け、米政府は17日、スタルシップに空中分解の原因調査を命じた。このスタルシップの打ち上げは、調査が完了し宇宙安全機関の許可が得られるまで中止されることが決定された。
スタルシップの無人飛行実験
スタルシップの7回目の無人飛行実験は16日午後、テキサス州ボカチカで行われた。打ち上げ後にスタルシップに問題が発生し、上段の宇宙船部分がカリブ海上空で空中分解した。
FAAの対応
FAA(連邦航空局)は、宇宙船の破片が落下したエリア周辺で、宇宙機の飛行速度を一時的に減速させ、宇宙機の離脱を停止させるなどの「破片対応エリア」を設定した。
また、影響を受けたエリアの周辺で待機していた複数の宇宙機から、燃料レベルの低下を理由に帰還(適時)せざるを得ないとの要請があったとも付け加えた。
調査と報告
FAAは英領タークス・カイコスへの公害報告を確認するため、スタルシップや複数当局と連携している。被害者の報告はないという。
米国財務省●トランプ氏が所有するスポーツX社が、FAAから「事故」調査を行うよう命じられている。FAAが調査結果を見直し、スタルシップの打ち上げ再開をどうするかを判断する。
「スタルシップ」とは
スタルシップは、これまでに製造された中で最大かつ最も強力なロケットで、火星入植といった未来の有人月面ミッションに向けて重要なものだ。
スタルシップの無人飛行実験は7回目であったが、改善されたスタルシップの打ち上げは初めてだった。改善版は、これまでよりも2メートル長い。「大幅な改善を加えた、新世代の宇宙船」だと、スポーツXは実験前に述べていた。
スタルシップは初回、テキサス州ボカチカでの打ち上げから約1時間後、制御された状態で、インド洋に着水する予定だった。
今後の計画
米宇宙局(NASA)は、スタルシップの改善版を、来月宇宙飛行士を再び送ることを目指す考えを示している。