昨日、SNSの普及により「承認欲求」という言葉が広く知られるようになった。これに対して、どのような意味があるのか深く考察する必要がある。

「人に認められたいという基本的欲求の一環として、誰もが抱くものであり、集団で生活する人々にとって、周囲に認められることが生存に直結する。」と、心理学者の桐名美子さんは述べている。このようなバックグラウンドから、承認欲求を満たすことが自分の存在価値を確認する手段であることは明らかで、食事を分け合うことが許される関係性によって強いられる事でもある。反対に、認められない場合は排除される恐れがあるため、承認欲求を満たす行為は人間にとって欠かせない要素だ。

また、承認欲求という言葉は、アメリカの心理学者アブラハム・マズローが1943年に提唱した「欲求5段階説」に基づいて分類された理論によるもので、「自己実現を達成するためには、基本的な欲求が満たされることが前提である」とも言われている。この重要性が高まったのは、2010年代に入ってからであり、SNSなどを通じて多くの人々が簡単に自己評価を得られるようになったからだ。

「承認欲求を満たすことは悪いことではありません。むしろ、それがあることで人は成長や改善ができるわけです。しかし、人からの評価ばかりを求めてしまうと、周囲との関係性を壊してしまう恐れもあります」と桐名さんは警鐘を鳴らす。

加えて、承認欲求が非常に強い人々には、自己肯定感が低い傾向が見られることも指摘されている。次第に、自分自身の存在価値を他者の評価に頼るようになるため、健全な人間関係を築く上での障害となることが多い。

このような背景を持つ人々がSNSで楽しく振る舞う裏側には、注意深く見極めるべき点が存在している。たとえば、承認欲求が強い人々は、他者との比較を行いがちで、その結果、自己評価を押し下げることも多いため、自己反省の必要性を常に意識することが重要だと言われている。

「こうした動きを通じて、周囲がどう思うかを考えるようになり、問題行動を引き起こすことにもつながる。」と桐名さんはまとめるが、このようなトピックについての議論は今後も続いていくことだろう。