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JAL、航空機を「サメ肌」にして空気抵抗減少 世界で初めて国際線に導入へ 1月中旬から

2025-01-10

著者: 健二

日本航空(JAL)は1月10日、航空機の表面を「サメ肌」のような形状にする「リュレクト形式塗装」を施した航空機を、世界で初めて国際線に導入すると発表しました。このリュレクト形式塗装により、航空時の空気抵抗を軽減し、燃費の改善が期待されています。導入予定は1月中旬です。

リュレクト形式塗装とは、水の抵抗が減少できるサメの肌の構造を模した塗装で、この技術を航空機に貼ることで、より滑らかな流線型の表面を実現します。これにより、航空機の速度向上や燃料消費の削減が可能となるのです。

国際線で使用する機体「ボーイング787-9型機」では、運航時の空気抵抗が0.24%減少します。また、年間約119トンの燃料消費削減と、381トンのCO2排出量の削減が期待されています。この381トンのCO2排出量は、約4490本の木を植え育てたときに吸収される量に相当します。

さらに、この導入には宇宙航空研究開発機構(JAXA)が協力しており、塗装業務の管理も担当しています。機体の表面にリュレクト形式塗装を施す際には、オウルエルの「Paint-to-Paint Method(既存の塗装の上に水溶性のタイプで形成する技術)」が活用されています。この手法によって、燃費の効率化や耐久性が期待されています。

実際、JALは2022年7月から国内線で使用する航空機のリュレクト形式塗装の耐久性を調査しており、2023年11月からは、通常の塗装に比べてコスト削減と長期的な効率化が見込まれるかを実地試験を行います。このように、国際線における新たな塗装施行は、航空業界全体に大きな影響を与えることが予想されています。さらに、環境配慮型の航空技術として、今後のエコフライトの実現に繋がる可能性も秘めています。