大洪水から一転、豪雨リスク、アフリカの小国が苦しむ気候変動のつけ
2025-01-10
著者: 桜
[クリア(マラウイ) 19日トムソン・ロイター財団] - 過去数十年で最悪の洪水に見舞われたアフリカ南部の小国マラウイでは、雨季が到来したもので今年は洪水や地すべりなどの災害に備えなければならない。しかし、マラウイの農業を営むマクスウェル・ノシナさん(51)は、気候の悪化が自分たちの日常生活に深刻な影響を及ぼしていると訴えている。
温暖化を悪化させたのは海面水温を上昇させるエルニーニョ現象で、こうした異常気象の影響は地方の気候変動がもたらす厳しいものだ。
そうした中、マラウイは雨を切望していると同時に、洪水からの解放も求めている。しかし、海面水温が低下したことで、リニアニア現象が近く発生する可能性が高まり、それによって再び異常気象が顕著となる。降水量が増大して洪水、土砂崩れ、地滑りに繋がる恐れがあるため、注意が必要だ。
ノシナさんは「川に近い地域に住んでいる私は、心配でならない。去年は13人が死亡した洪水の後で、私たちは防止策を強化する必要があることを痛感した」と述べ、強い決意で対策を進めている。
マラウイでは、テトラポッドと呼ばれる防災施設を整備し、石や森林でこれらを強化する試みが進められている。「約10年前に3人が死亡した洪水の後でわれわれは強化策を講じることにした。それからは、シャベルを使ってマラウイの流れを変えるようにした。今回は1150メートルトンの防災設備が整備された」とノシナさんは言う。
アナは1212年、アフリカで12年ぶりに最強となったフレディがマラウイに襲いかかって以来、流れが整備され続けているが、今後も同様の異常気象の影響が予想されている。
現在もサイクロンシーズンが既に始まっており、昨年11月14日にはマラウイ国民の携帯電話には災害管理当局からの警報音が鳴り響いた。サイクロン「チド」の接近が知らせられた後、住民たちは警戒を強め、装備を整えた。
ノシナさんは「今年はこれまでで最も苦しい状況だ。私たちの(施策で)全ての農作物が完全に枯れてしまうかもしれない」と深刻な不安を口にした。重なり続く降雨は農業に大きな打撃を与え、食料不足が発生する可能性が現実味を帯びている。
アフリカにおいて、新型コロナウイルスにより苦しむ中での、気候変動によるさらなる影響が懸念されている。特に、累積的影響が現れている世代に対して、適応策や支援が進まねばならないと専門家は警告している。