
科学
地球の生命誕生に新説、微小な電気が化学反応を引き起こした可能性
2025-04-01
著者: 結衣
約40億年前、地球は生命のない荒涼とした世界だった。その時代には波が打ち寄せ、川が流れ、温暖な水の中で大気に漂う原始的な化合物が存在していた。
この地球上の生命が誕生するきっかけとなったのは、水滴の中で発生した微小な電気によるものであると、新たな研究が示唆しています。アメリカのスタンフォード大学の化学者たちが行った実験によって、水の中に特定の化学物質が存在する場合、微小な電気がそれらの物質を反応させ、生命の根源となる分子を生成する可能性があることが明らかになりました。
この研究の発端は、1952年に行われた海中での電気による反応実験でした。この実験では、様々な有機物質が電気のエネルギーによって合成される過程が観察され、原始の地球における生命の誕生に関する理解が深まりました。
さらなる実験では、水滴中で微小な雷(マイクロライトニング)が生命の誕生に関連している可能性が議論されています。特に、火花のように短時間で高エネルギーの電子が放出される現象が、原始の水中でも起こっていたかもしれないとされています。これにより、生命の基礎とされるアミノ酸や他の有機分子が生成される過程が促進されたかもしれません。
科学者たちは、この新しい知見が人生の起源についての現在の理解を更新し、宇宙規模での生命の存在の可能性も示唆していると考えています。地球の条件が整えば、他の惑星でも同様の過程が起こりうるのです。
この研究の結果は、2025年3月14日に『Science Advances』に発表される予定で、生命の起源に関する新たな議論を巻き起こすことが期待されています。