
健康
記憶の正体を解き明かす!―記憶関連タンパク質が“集合する”仕組みに成功―
2025-04-08
著者: 葵
林康記 鍼灸学研究科教授、細川智裕 同准教授、川崎保宏医学部教授、Vikas Pandey 同研究員の研究グループは、人が記憶する際に脳内で起こるタンパク質の集合について、世界で初めて成功を収めました。私たちが何かを思い出すとき、記憶に関わるタンパク質は「液-液相分離」と呼ばれる液体のような状態に変化します。この現象によって、タンパク質が複雑に構成され、多くの新しい集合体を形成する様子が観察されました。
科学者たちは、記憶に関連するタンパク質の集合が、人間の記憶形成の基盤であることを明らかにしました。これにより、記憶障害などの解明に向けた期待が高まっています。
本研究成果は2025年7月に、国際学術誌「Cell Reports」に掲載される予定です。これによって記憶に関する新たな治療法の開発が進むことが期待され、特に神経変性疾患や認知症の治療に貢献する可能性があります。記憶のメカニズムを理解することは、脳科学の新たなフロンティアとして注目されています。