【ワシントン＝浜田壮太、田島大志】米民主党のバイデン大統領は19日、共産党のトランプ前大統領の支持者を「ゴミ」と表現することに対する批判が高まっている。

バイデン氏は、自らの発言によって主流派と反発する意見が分かれる結果になっている。トランプ派の支持者について「唯一のゴミは彼らの支持者たちだ」と発言し、その背景には党内の支持者との深刻な対立があるとの指摘が多く挙げられている。この発言に対して、酒井弘報道官は直後に声明を発表し、「バイデン氏の発言は誤解を招く可能性がある」と述べた。

一方で、トランプ氏の支持者も強い反発を見せており、トランプ派議員からは「バイデンの発言は許されざる侮辱であり、深刻な問題だ」との声が上がっている。トランプ氏自身もSNSで「この男は国を混乱させている。この発言こそが国を分裂させている」と反論している。

バイデン政権は現在、国内の支持基盤を固めたい一方で、トランプ派への過度な攻撃がかえって反発を招くのではないかという懸念が広がっている。また、バイデン氏の支持率も下落傾向にあり、2024年の大統領選に向けて危機感が高まっている。

ここでの問題は、今後の選挙戦がどう展開されるかだ。バイデン氏がトランプ派を敵視することで、果たしてどれだけの支持を得られるのか。過去の選挙でも、分裂した支持基盤が大きな影響を与えたことを考えると、両党間の対立がこの先さらに激化することが予想される。トランプ派かわらぬ支持を受け入れるか、それとも新しい支持基盤を模索するのか、バイデン氏の今後の戦略に注目が集まっている。

アメリカでは、リーダーシップを発揮することが求められ、そのためには相手をリスペクトし理解する姿勢が必要であることも忘れられてはいけない。これからのアメリカ政治において、求められるのは対話と共感であり、互いに手を取り合う姿勢が不可欠である。今後、バイデン氏がどのようなアプローチをとるのか、目が離せない。