科学
H3ロケット4号機、まもなく打ち上げ 静止軌道投入に初挑戦 宇宙ビジネス拡大へ
2024-11-04
著者: 結衣
日本の次世代主力ロケット「H3」4号機が、来る4月6日午後3時48分に種子島宇宙センター(鹿児島県南種子町)から打ち上げられる。機体の構成は3号機と変わりはないが、今回がH3として初めて、地球からの高度約36,000キロに位置する静止軌道への衛星投入に挑む。
H3はこれまで、搭載する衛星を高度2000キロ以下の低軌道に投入してきた。しかし、4号機は、防衛省のXバンド防衛通信衛星「きらめき3号」を静止軌道に投入する計画だ。衛星が地球の自転と同じ速度で飛行するため、特定地域の上空で静止しているかのように見える。これは、民間の通信衛星や通信用衛星、放送衛星などに用途が広がることが期待されている。
今回、衛星が第2段ロケットから分離後、中間的な軌道を周回しながら自らの propulsion やエンジンを使い進路を調整し、静止軌道に入る。
将来的には、分離前に中間的な軌道に入ってロケットのエンジンで進路の調整を助けることも計画しており、その実現に向けたデータの収集も大きな目標の一つとされている。
うまくいけば静止軌道に近いところまでロケットが運ばれるため、衛星の搭載が軽減され、救命も延ばせる。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の有田凌プロジェクトマネージャーは、打ち上げに先立ち記者会見で「より衛星にやさしいロケットを実現したい」と話した。