自衛隊の「無人艦」を試作へ!? 「未来の海戦」で重要な役割を果たすミサイルも発射可能
2024-11-06
著者: 健二
海中に潜むこともできるようです。
「戦闘支援型無人水上艦」の研究試作へ
防衛装備庁は2024年11月1日、自衛隊が海上で運用する新たな無人兵器「戦闘支援型無人水上艦」の研究試作に向けた企業間競争提案を公表しました。
「USV」とは無人水上艇のことで、最近ではウクライナ軍が「マグラV5」や「シュルビカー」と呼ばれる爆薬を搭載した無人水上艇を利用し、大きな戦果をあげています。
現在、海上自衛隊の装備は、護衛艦や潜水艦などの有人システムが中心です。防衛装備庁は今後の海洋戦に向けて、無人機や自律センサーと連携した有人システムと無人システムが連携し、ネットワーク中心の戦闘に変化することを想定しています。
水中における戦いは、人間的被害を極限まで低減できる海洋無人機の実用化、探索能力の向上、艇のスタルス性向上が重要になります。今後の海洋戦に対応するため、現在研究が進められている無人装備の一つが「戦闘支援型無人水上艦」です。
防衛省は2024年度予算に、「戦闘支援型無人水上艦」の研究費として248億円を計上。警戒監視や対艦ミサイル発射といった機能を選定的に搭載でき、有人の艦艇を支援可能なUSVとなる見込みです。
2023年8月に初めてイメージ図が公開され、無人艦のような外観がSNSなどで話題となりました。外見はステルス性が意識され、潜水艦の「そうりゅう」や「たゆう」型でも採用されているX舷が搭載されている模様ですが、2024年8月に公開される新たなイメージ画像では、船体形状が大幅に変更される予定です。
防衛装備庁は、複数のUSVを試作し、海上試験やシミュレーションによる検証を行う方針です。自動航行、搭載機器の選定運用、複数USVの連携、潜水航行など、ステルス性を持つUSVシステムを実現するために取り組んでいます。