健康

子供が新型コロナで重症化しにくい理由とは…耳にあり

2024-11-06

著者: 海斗

新しい研究によると、子供が高齢者と比較して新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化が少ない理由は、耳の中の細胞に関係している可能性があることが明らかになりました。この研究は、英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)のグレート・オモンド病院小児健康研究所のクレア・スミス博士によって行われました。

スミス博士によると、12歳未満の子供では、耳の中に存在する上皮細胞が新型コロナウイルスに対して迅速に免疫反応を示すのに対し、高齢者ではその反応が遅くなることが示されています。これは、子供たちが新型コロナウイルスに感染した際、より早く免疫系が働き、重症化を防げるということです。この研究の結果は、2024年4月15日付の「Nature Microbiology」に掲載されました。

研究者たちは、耳の上皮細胞が新型コロナウイルスの感染に対して特異的な抗ウイルス効果を発揮することを確認しました。具体的には、感染の初期段階でこれらの細胞がウイルスを効果的に抑制することが分かりました。

さらに、感染後3日以内に耳の上皮細胞で見られる特異な反応が、重症化を防いでいると考えられています。このようなメカニズムは、特に小児におけるCOVID-19のリスク評価において重要な要素となるでしょう。

スミス博士は、「この研究は、将来のワクチンや治療法の開発において、耳の上皮細胞における反応を強化することの有効性を示唆している」と述べています。子供たちが新型コロナウイルスに感染しても軽症で済む理由を解明することは、より効果的な治療法やワクチンの設計に繋がる可能性があると言えます。

今後の研究では、これらの知見を基に、新型コロナウイルス以外のウイルスに対する免疫反応についても調査が進められる予定です。この研究が明らかにする新たな知見は、感染症の予防と治療へと大きな影響を与えることが期待されています。