世界

中国、チベットに世界最大級の水力発電ダムを建設へ

2024-12-27

著者: 結衣

[北京 12月16日 ロイター] - 中国はチベット自治区に世界最大級の水力発電ダムを建設する計画を承認した。これは中国の二酸化炭素排出量削減目標の達成に向けた取り組みの一環として位置付けられており、関連産業を刺激し、チベットにおける電力の利用拡大が期待されている。新華社通信が12月15日に報じた。

ダム建設費用は約1.5兆元(約14.8兆円)と見込まれ、工事が進められる見通しだ。具体的な場所や工事の詳細はまだ発表されていないが、計画の規模は膨大であり、環境への影響も懸念されている。

当局はこのプロジェクトが地域住民に与える影響を十分に考慮することが求められている。ダム建設によって引き起こされる可能性のある移住問題や生態系への影響についても、多くの専門家が注目している。

さらに、当局は水力発電のプロジェクトによって中国の電力供給の約13%以上を確保することを目指しているが、環境や下流の水供給への大きな影響が懸念されている。

加えて、国内の飲水と農業用水の需要が急増しているため、このプロジェクトがどのように適応していくのかが注目されている。環境に配慮した持続可能な開発を進めるため、適切な対策が講じられることが期待されている。

一方、チベット地域は気候変動の影響を最も受けやすい地域の一つとされており、ダム建設が地域の生態系においても影響を及ぼす可能性が高い。周辺地域の環境や生物多様性を守るための十分な対策が求められる。

このプロジェクトが成功すれば、中国は再生可能エネルギーへの移行において大きな一歩を踏み出すことができる可能性がある。しかし、環境を守るためのバランスを保ちつつ進めることが重要である。