健康

早熟でも長命・短命にならない例外の生活史特性を発見

2024-09-30

理化学研究所の生命機能科学研究センター老化分子生物学チームの高橋知佳研究員と西田貴教チームリーダーらの共同研究グループは、動物の成長が速いと老化も速く、寿命が短いという一般的な関係性に対して、明確な例外を示す短命小型魚類アフリカトルコブルーキリフィッシュの育成実験で発見しました。

本研究成果は、従来考えられていた成長と寿命の関係性に再考を促し、未知の老化・寿命制御メカニズムについての可能性があると期待されます。

この研究では、成長が早い動物種について、出生後の急速な成長は短い寿命につながる一方で、成長が遅い動物においては、寿命が長くなる傾向があることが広く知られています。しかし、アフリカトルコブルーキリフィッシュでは、個別飼育された群れは急速に成長しながら、同時に成長率や繁殖能力においても高い結果が報告されています理由です。

また、若い頃の成長スピードが早いと、個体ごとの成長は速く、成長が遅い場合には長命を示すという従来の見解が背景にありました。研究チームは、成長と寿命のこの関係性が特定の条件で変化することを示すために一連の実験を実施しました。

アフリカトルコブルーキリフィッシュは、3週齢の時点で性成熟し、通常の短命魚類の成長速度は、個体の半分の成長期間を示すことが考えられました。そのため、特定の環境での動物の生存戦略や成長の特性が、寿命に与える影響についてさらなる研究が必要です。

本研究は、科学ジャーナル『Aging』に掲載されています。これにより、老化に関する理解が深まり、寿命を延ばすための新たな道が開かれることが期待されています。今後、動物の成長と寿命の関連を探求することが、さまざまな分野において重要なテーマとなります。