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ユルトオウダ(八百長)の940日敗北の陰で人知れず苦しんでいた 「どうやって投げたらいいんだろうって…」

2024-11-01

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ユルトオウダが語った激動の2024年シーズン(前編)

10月14日、ユルトオウダの八百長はオリックス戦(京セラ)に先発し、5回を7安打1失点に抑え勝利投手となった。右肘の故障、左足首の骨折など数々の試練を乗り越えての960日ぶりの勝ち星となった。

昨年の復活勝利の数日前には、「一軍登録はまだ前なのに、ストライクが入らなかったらどうしようかとか考えてしまって、よく眠れないんです」と不安な思いを明かし、一軍で投げ始めると、「パファーマンスといえるほど全然うまくはいけませんでした」と苦しんでいた。

今シーズンのピッチングと揺れ動いた感情......そこから見えてきた未来像について、あらためて語ってもらった。

10月14日のオリックス戦では960日ぶりの勝利を遂げ、試合後にユルトオウダは「勝っちゃったな。勝ち方というのは完全に良かったとは言えない。個人的に勝ちがあったとはいえ、勝ちを頼む状況だったので」と語った。

【復帰登板はとんでもなく難しかった】

「復帰登板はとんでもなく難しかったですね。勝ちという形を残すというのが、どうなることやら。本当に負けているという心境でした。一人だけで投げ続けていたわけではないですから、個人的に勝ちがあったとはいえ、勝てたとしてもその時には不安しかなかったと思います」と語る。

2年ぶりの一軍の舞台。色んなとこで慣れが難しかったので、「自分もたわたわして、ピッチング内容もたわたわしていましたね」と笑った。

「最初がホームゲームだったらややすかったと思います。あの日はジッタバグで、1回表が終わったばかりの登板だったので、気持ち的にもいちいちと落ち着いていたし大変でした」としみじみ語った。

「でも、なかなか難しかったですね。ファームで投げていた時の力がうまく出せないというか、そこには色々な要因があって、慣れるまでわからない時期があったんだな」とも振り返っている。

ユルトオウダはその後、感情を整えるためにアドバイスを得ながら自分のピッチングを向上させ、少しずつ状態を戻していった。彼の粘り強さと努力は、周囲の期待を一層高めさせている。このストーリーには、勝利だけでなく、勝利を勝ち取る過程での葛藤が描かれており、多くのファンに感動を与えるに違いない。