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原油と工業用金属が下落、トランプ氏がメキシコとカナダに関税計画で

2025-01-21

著者: 結衣

21日の市場では、原油と工業用金属の価格が下落しています。トランプ前大統領がメキシコとカナダからの輸入品に最も高い25%の関税を課す方針を示し、貿易戦争への懸念が再燃しました。投資家は安全資産を求めており、金価格は上昇しています。

世界的な貿易戦争が再燃する中、消費と成長へのリスクとなるため、コモディティ全体にとっては弱素材です。ただし、トランプ氏は対中関税計画の表明はせず、大豆やトウモロコシの市場は一定の安心感に包まれています。

サクソバンクの商品の戦略担当者オーレ・ハンセン氏は、「関税の影響は現実的なもので、経済成長を鈍化させるリスクがある」と指摘しました。

トランプ氏は第2期目の政権をスタートさせた初日に、メキシコとカナダからの輸入品に対する関税を2月1日までに導入する計画を発表しました。この2国は米国にとって主要な原油供給国でもあり、その影響は市場全体に広がる見込みです。

市場は急騰状態にあり、金のスポット価格は21日の取引で1,800ドルを超えました。銀はトランプ氏発言後に急騰しており、供給制約や需要の高まりから高値を維持しています。特に、米国内での石油・ガス生産が後を追う形で増加しているため、需給バランスが大きく変わる可能性があります。

こうした状況の中、米国と各国の関税動向が今後の市場の動きにどう影響するか、大きな注目を集めています。関税の導入が実行されれば、貿易に依存する国々は大きな打撃を受けることになるかもしれません。投資家たちは、安全資産としての金や銀にシフトする傾向が続くと予想されます。