自然環境の変動、パンデミック、格差、戦争……私たち人類を脅かす未曾有の危機が現在進行形で存在しています。その中で、20万年にわたる人類史が進展していることは、決して無視できない事実です。

今、40億年の生物認証から人間の生活を問い直すといった研究が進められています。レジャー研究者・中村恭子さんがその一人です。

「土」を知ることで、始めよう

農業は定住を不可欠なものとし、だからこそ、ここには自然と住居が集まり、お互いに助け合う小さな集落ができました。

つまり、農業文献の始まりは食べ物を得ることに関する（現在の農業）、時折の場つなぎ（現在の言葉にするなら村作り、街作りであり、土木・建設）の開始であり、「自然に手を加える」ことの始まりです。

「生きものとしての農業」としては、農業を、土に注目して考えていくのですが、実は面倒な場つなぎはすべて土から始まりました。

農業の場合と同じく、現代社会での木材・建設という作業が自然破壊につながっていることに疑問を抱いた人々が、もう一度土を見るようという活動を始めていることを最近知りました。「生きものとしての農業」と同じように「生きものとしての木材」と呼ばれる活動です。生活の基本に土があることを示す動きです。

さらに最近、都市開発や地域開発の中でも土の重要性が認識され始めています。近年、土壌の保護に関する意識が高まり、農業や地域づくりの中でも、土を意識することが求められています。土が持つ特性や役割を理解することで、地域の環境保全と持続可能な発展が可能になるという認識が広まっています。

このような流れの中で、農業や森林管理、さらには都市開発においても、土に対する新たな視点が重要視されているのです。今後の地球環境を考える上で、土、その存在を見直すことは非常に大切なテーマと言えるでしょう。