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消えたコメ「高くても捨てられ」 小売りや外食悲鳴の「コメ暴動」(1)

2024-09-29

9月中旬、福島県甘田市に住む会社員の岡地正二(62)は近所のスーパーをはしごして歩いていた。探していたのはコメ。1、2袋目とも見つからず、3袋目でようやく新米のあきたこまちに出会った。買い物カートにコメ袋を載せたが、「あたりまえに棚に並んでいる商品と思っていたけど、高くなりすぎだよね」と、しみじみ言った。

この夏、日本人の主食であるコメが大都市圏を中心に店頭から消えた。いったい何が「令和の米暴動」を引き起こしたのか?

背景には、米の価格高騰と供給不足がある。特に今年は天候不良が影響し、西日本を中心に主力のコメの収穫量が減少した。これにより、消費者は価格が高騰する中で昨今の流行である外食やテイクアウトができなくなる事態が発生している。

専門家によると、米の市場価格は前年比で約20%も上昇しており、一部ではコメの販売価格が過去最高を記録している。これに合わせて外食チェーンもメニューの見直しを余儀なくされており、新たな価格設定を進めているが、消費者には受け入れられていない。

今後も米の供給不足が続くと予想されており、コメを使用した料理がさらに高騰する可能性が高い。消費者は存分に楽しんでいるようでありながら、裏側では予期しない事態が進行していることに気づき始めるかもしれない。果たして、私たちの食卓にどのような影響が及ぶのか、目が離せません。