科学

宇宙の謎解明!M87の中心から放たれる新たな星形成の光

2024-09-29

アメリカの宇宙望遠鏡科学研究所(STScI)は、2024年7月26日に発表を行い、ハッブル宇宙望遠鏡を用いた観測データを基に、銀河M87で観測された新しい星(古典新星)が多く発生していることを明らかにしました。

M87は、おとめ座方向に約4500万光年離れた巨大な楕円銀河であり、その中心には超巨大ブラックホールが存在します。このブラックホールは、質量が約650億太陽質量もあり、周囲の物質を吸い込む過程で強力なジェットを放出しています。このジェットは新星を形成する環境を作り出し、近隣の星間物質に影響を与えているのです。

今回の研究では、ハッブル宇宙望遠鏡が行った2回の観測によってM87の周囲に位置する135個の新星を特定しました。その結果、新星はジェットの周囲で多く形成されるという驚きの事実が明らかになりました。これにより、ブラックホールのジェットが新星形成を促進する役割を果たしていることが示唆されたのです。

擦れるように形成される新星は、一部が非常に明るい白色矮星の爆発に起因しており、爆発により周囲の物質を加熱し、さらなる星形成を促す要因となります。このようなメカニズムは、M87だけでなく他の銀河でも確認されており、宇宙の星形成メカニズムに新たな視点を提供しています。

STScIの研究者アレック・レッシング氏が指揮したこの研究は、特にハッブル宇宙望遠鏡がもたらす高解像度の観測能力を活用しています。彼は「今回の発見は、ブラックホールの周りで起こる物理的な変化が、新しい星の誕生にどのように寄与するのかを理解する大きな第一歩です」とコメントしました。

今後もこの研究チームは、M87における星形成をさらに詳しく調査し、ブラックホールと星形成の関係を深く掘り下げていく予定です。皆さん、宇宙の神秘を一緒に追いかけてみませんか?宇宙の果てには、まだまだ驚くべき発見が待ち受けています!