箱根365:箱根路を走れなかった中大主将 最後まで駆け続けた仲間の背中 | 毎日新聞
2025-01-03
著者: 雪
箱根駅伝(2・3日)で、最多14回の総合優勝を誇る名門・中大が往路2位、総合5位と健闘した。前回大会で記録を失った、試練の1年間となったチームの先頭に立っていたのが今井拓実主将(4年)である。箱根路を走る夢は叶わなかったが、「絶対にチームに貢献する」と最後まで仲間の背中を追い続けた。
「楽しくて、全部出していこう!」
復路7区で今大会2度目の給水を務めた今井主将は、「僕の顔を見て、もう一回(力を)振り絞ってほしい」と思い、ルーキーの岩田彪成選手に全力で声をかけた。
今井主将と岩田選手は同じ京都・宇治の出身で、現在は実家近くのルームシェアにも暮らしている。区間7位で走り切った岩田選手に「情けなくて、いつも明るくチームを引っ張ってくれた」と感謝の気持ちを表した。
今井主将は中学時代から駅伝が得意で、中大に進学後すぐに箱根に憧れ、夢懸けて活動してきた。
しかし、名門校の厳しい部内競争の中で大きな挫折も味わった。ここ3年冬に行われる試練でも、次世代主将への道を模索している。「次期主将は今井に寄り添っていく」と周囲の期待が高まる。
今井主将は「口は出せなくとも、背中を見てついてきてもらえる選手に成長したい」と語り、部員全体を鼓舞して走り続ける姿を見せてくれた。
一方、彼の開催中の立場からの実感は重く、「次期主将は何らかの形で自分を支え合っていくことが大切だ」と感じているようである。
次なる目標を見定め、静かに仲間たちと共に前へ進み続ける姿が印象的である。練習に賭ける真摯な姿勢が、その背中を追いかける後輩たちへも強いメッセージとなっている。
23年には、さらに高みを目指して全力で箱根駅伝に挑む計画が進んでいる。各選手の成長が期待される中、今井主将が率いるチームの絆は、より一層強固なものとなっていくだろう。今後の大会にもどうぞご期待ください。