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相次ぐインフル治療薬の供給調整で〜買い占め〜懸念 「過剰発注へ」と厚生労働省
2025-01-10
著者: 結衣
インフルエンザの患者数が過去最多となり、治療薬の供給調整が相次いでいることから、厚生労働省が注意を呼びかけている。特に、タミフルの上限を設けていた薬局や卸業者では、他の薬の確保を急ぐ動きが広がっている。こうした状況下では、買い占めが懸念されている。
国内の令和6年度のインフルエンザ治療薬供給は昨年9月末時点で1243万人分が予定されており、前年の供給実績より464万人分多いという。
しかし、流行が拡大する中で、医師がタミフルを処方した際に、薬局の在庫が不足し購入しにくい状況が発生している。そんな中で、昨年の供給実績よりも増産が求められていることが報告されている。
薬局は今月に一時的に出荷を停止しており、令和6年度の供給計画では計12610万人分を予定していた。しかし、供給中の製品として、在庫が不足している状況に加え、特定の薬の需要が急増しているため、出荷数を制限する可能性がある。
インフルエンザに対する特別な治療が必要な患者が増える中、供給の不安定さは益々強まっており、厚生労働省は「過剰発注への予防策が必要である」として、業界にも協力を呼びかけている。患者にも、病院や薬局での適正な購入をお願いすることが重要である。特にこの時期は、ワクチン接種も重なり、医療機関での混雑が予想されるため、早めの対策が求められている。
こうした背景から、今後の治療薬の供給に対する不安感が広がっている。各医療機関では、システムの整備や在庫管理を改善しなければならず、今からでも積極的な対応が求められ、中長期的な治療薬供給体制の確立が急務とされている.