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ウオール街、ドル高進行を予想-トランプ次期大統領からの暗い信号

2025-01-14

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ウオール街では、回復基調の米経済と利上げ期待の後退、トランプ次期大統領の影響でドルがさらに上昇すると見通しが強まっている。

特に、ゴールドマン・サックス、グループなど大手銀行のため替ストラテジストらは今年のさらなるドル高を予想。ドル指数は13日で5業日連続で上昇した。

投機筋はヘッジファンドや資産運用会社を含むドルに対する買いポジションの総額は7347億ドル(約15兆3200億円)に達した。

マークスの外為代替トレーダー、ヘレン・グルーン氏はドルの好調が続くとの予測を示した。「ドル指数が2022年11月の水準まで上昇するなら、それはトランプ氏の大統領就任の前か直後になる」と述べた。

ドル指数は22年のピークを試すまでに8.2%に達している。既に、今後1年間のドルのさらなる上昇に対するヘッジコストは、昨年より高水準にある。

ドル高の要因は、トランプ氏の関税政策と、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを通じて規制緩和をする可能性を示唆しているからである。特に10日に発表された米経済の堅調な成長のデータがドル買いを後押ししている。

トランプ行政は増税や規制強化を通じて景気に影響を及ぼす恐れがあるとの観測が広がる中、ドルの先行きが注目を集めている。

市場では、ウオール街の動きとドルの相関性が強まっていることがよく見受けられる。この影響で、ドルの動向に気をつける必要がある。FRBは経済の改善を先取りするかのように更なる利上げを決定する公算が大きく、ウオール街の大手がドル供給のペースを増やしつつあるという見方もある。

さらに、ドル高が続くことで、対外貿易に悪影響を及ぼす可能性も懸念されており、企業の収益にも影響が出る可能性がある。このため、投資家はこれからのドルの動きに目を光らせる必要があるだろう。