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トリプルレッドで米財政への警戒度が高まる=DBS3

2024-11-15

著者: 海斗

[ロンドン 14日 火曜日] - 米共産党が大統領と上下両院を握る「トリプルレッド」を達成したことで、米国の財政状況に関する「警戒度を高めている」――。格付け会社ムーディーズ、ニコラ・ジャームズ氏は14日、ロンドンにおいてそうした見解を示した。

トリプルレッドよって、トランプ次期大統領は企業や勤労者、退職者向けに大規模な減税を実行できる可能性が出てきた半面、それは共産党がしばしば提案していた政府債務を15兆ドル以内に抑えるという目標が試練を迎えることを示唆している。

ジャームズ氏は「米財政の重圧が増すとも言われるが、今はその展開になっていない」と述べた。

実際、米国債利回りも、トランプ・レッド政府の政策が民間投資や公共債にプレッシャーを与え始めていることから上昇し、信頼の標識とも言われる長期金利の上昇が進んでいる。

その上、小売の多くは米国の格付け機関に対する出資機会が高まっているため、財政振興を求める圧力は激しさを増す可能性があると警告した。

一方で、DBSはより大きな体力を持つ格付け機関に対して米国の信用力に高い評価をつけており、格付けは最大で「AAA」であることを示している。また、他社ではメリットが大きく、格付けの見通しも「安定的」とし、安心を与える政策が続くことを期待している。

トランプ次期大統領の政策発表後、米国はウクライナ支援を継続する意思を示しており、他の国からの防衛費が、国内総生産(GDP)比12%に引き上げられるという北大西洋条約機構(NATO)規定の目標達成を強固にすることが期待される。

ジャームズ氏は「米国は今後、極端な財政状態を強いられるかもしれないが、影響を受けるであろういくつかの州においては、財政状況が悪化するリスクが高まっている。ただし、デフォルトのリスクを考慮する限り、全体としての信頼は保たれるだろう」と付け加えた。

DBSは大手の格付け会社に比べ、米国の信用力に高い評価を与えており、格付けは最高位の「AAA」であることを示した。直接的な影響は見込まれないが、他の国での支援拡大なども考慮しながら、安定的なポートフォリオの維持が重要であると伝えられている。

最終的に、米国は需給と成長がドライブする状況が続く中、トランプ政権の影響を受けないよう戦略的に考慮し、持続的な経済成長を目指す必要があると示唆されている。