トランプ氏、反ワクチン論者ケネディ氏を公認候補に扱う?保健政策の混乱必至の見方
2024-11-01
著者: 雪
【ワシントン=大内清】ミズーリ州連邦選に無所属で出馬を表明した共和党のトランプ前大統領が、元大統領候補の反ワクチン論者ロバート・ケネディ氏(70)を公認候補として支持する考えを示している。トランプ氏のこの動きが実現すれば、公認候補生分野の連携機関を統制する権限を「(トランプ氏から)約束された」と明かし、波紋を呼んでいる。反ワクチン論者で知られるケネディ氏が同分野の要職に就任すれば、保健政策の混乱は避けられないとの見方が強まっている。
ケネディ氏は10月28日、支持者とのオンライン対話で、厚生省との関連機関における病気対策センター(CDC)、食品医薬品局(FDA)、国立衛生研究所(NIH)などの機関名を挙げながら「これらをコントロールすることが重要」だと表明。さらに「トランプ氏が私に約束した」と言及した。
ケネディ氏は過去に「すべてのワクチンは安全ではなく効果も乏しい」と発言しており、2023年8月には2014年のニューヨーク市のセントラルパークにおける猿の死亡を放置したとの訴訟が実を結んだと報じられている。
ケネディ氏は、民主党のジョン・F・ケネディ元大統領(1963年に暗殺)からの血筋を持つ政治家であり、彼の父親であるロバート・F・ケネディは民主党の初代大統領候補を努めた背景がある。また、今回の大統領選では無所属としてミズーリ州からも立候補しており、その影響力を拡大中だ。
ケネディ氏の発言は、全米に波紋を呼び起こしており、世論の分断を誘発していると指摘されている。多くの支持者が反ワクチンに傾倒している一方で、医学的なデータに基づく警告も無視することはできない。新たな政権がケネディ氏の提唱する政策を採用した場合、米国の医療システムは大きな試練に直面する可能性が高い。
トランプ氏の動きは、2024年の大統領選に向けての影響力を強める戦略としても評価されているが、同時に医療政策の将来的な不安定要素を増大させるとして、慎重な見方が多数を占める。次期選挙の行方は、ケネディ氏の影響力次第で変わり得るとの声が少なくない。