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デパ地下を「7階」に移してどうなった? 西武池袋本店の実験で分かった意外なこと

2024-11-04

著者: 裕美

2025年1月にリニューアルオープン予定の西武池袋本店(以下、西武池袋)が、今夏より実験的な取り組みを開始している。改装期間中、地下1階にあった食品売り場を7階に移動し「デパナナ」として営業しているのだ。

多くのブランドを扱う常設の食品売り場を上層階で展開するのは、百貨店の取り組みとして珍しい。しかし、地下と比較して上層階への集客は難しいため、デパナナは拘りのある商品構成へと変化している。

デパナナでは、従来の食品売り場と比較して面積が3分の1程度になったことから、ブランド数も従来の200から70に減少している。それに伴い、各ブランドの売り上げ目標も従来の3分の1としてあり、想定通りの結果が得られているが、意外な反響も見受けられる。

デパナナの取り組みによって、どんなことが分かったのか。西武池袋本店 ランドマネージメント部 デパ地下担当BMマネージャーの話を聞いた。彼は、「地下での買い物がルーチン化しているお客様が上層階に慣れるのは難しいですが、そこで新たな発見や体験をしている姿が見られます」と語る。

実験的な取り組みは来年の1月まで続く予定で、販売促進の方策や新しい顧客体験を見いだすことへの期待が寄せられている。これにより、今後のデパ地下や商業施設の戦略がどのように変化していくのか注目されている。食文化の発展も含め、消費者の意識の変化にも影響を与える可能性がある。