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「トンチンカンな経済政策」でいまだ立ち直れない日本と中国…リーマンショックを乗り越えたアメリカとの「埋まらない差」
2025-01-13
著者: 結衣
新たな経済政策は期待できる…?
外国為替市場で中国の人民元(CNY)の下落が止まらない。
背景にあるのは、不動産バブル崩壊で衝撃を受けた中国の経済運営メカニズムの限界、そしてその影響が期待しにくい政府の経済対策である。
これまで中国政府はバブル崩壊後の日本経済を参考にし、同じ轍を踏むまいと研究を重ねてきたが、実際の政策運営は思ったように進んでいない。
先日、公表された報告書では、「日本経済の失敗を反面教師とした」ものの、具体策が不足しているとの指摘があった。これは中国の通貨安が止まらない深刻なわけだ。
こうした状況下、中国政府は経済がデフレスパイラルに入ることを警戒し、新たな経済政策を発表した。1月3日、国家発展改革委員会が、家庭用電力や電気自動車(EV)を対象にした買い替え助成金政策を打ち出した。この施策は、スマート、スマートフォン、タブレット端末などに強化されたものである。
この新たな経済政策は、一時的に消費の持ち直しなどにつながる可能性があるが、その持続性については懸念が残る。
2024年7月、中国政府はいまだ家電、EVなどの買い替え助成政策を発表した。また、2024年6月、前年比同月比42%増だった小売の売上高は、11月に同13%に増えた。その一方で、9月の追加対策発表で生産活動も幾分か持ち直した。
昨年の人民元安は、そうした政策期待を先取りしたものであった。だが、昨年12月前半、今回の助成金政策の充填の観測が出た時点での人民元の反発は鈍かった。