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台湾で「最高位の中国スパイ」摘発 退役中将、中国侵略に合わさる政府転覆を計画

2025-01-24

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【台北=西見由紀】台湾で、中国と呼応して台湾政府の転覆を計画したとして、相次いで退役中の軍幹部が摘発された。今月20日には、台湾北部の防衛を担う陸軍第6師団を率いていた元副指揮官が国家安全法違反で逮捕され、【中国のスパイとしては最高位の退役将官】という注目を集めた。

政府によると、国家に危険をもたらす事例の急増は退役した軍人や警察官が関与していることから、厳しく監視されている状況だ。調査当局によると、退役中将は中国に対して台湾の軍事組織を立ち上げ、侵略に対抗する計画を立案していた。

最近、台湾では、中国からのスパイ活動に合わさる形で軍事情報が漏洩していることが相次ぎ報告されている。今月初めには、台湾陸軍の上官が中国側からの資金提供を受け、軍事組織の育成を目的とした訓練を計画していたことが明らかになった。

この計画は「中国人民解放軍の10万人を台湾に引き入れる」という壮大な構想を描いていたことが報告されており、台湾の当局はこれを非常に深刻な事態と受け止めている。また、最近発表された報告書によれば、台湾の国家安全局が29件の事件に関与した元軍人や警察官を摘発したとのことだ。

台湾の国家安全局は12日に発表した報告書で、24件に及ぶ中国に関するスパイ事件について引き合いに出し、2022年の場合には10件から大幅に増加したことを強調した。このような情勢を受けて、台湾の国防政策を主導する大陸問題委員会の報道官は「非常に深刻な状況である。中国共産党は計画的かつ組織的にこのような(情報を抜く為の)動きを強めている」と警鐘を鳴らした。

台湾における国家安全の脅威は年々増大しており、特に中国からのスパイ活動は活発化していることが明らかになっている。専門家たちは、国際情勢を踏まえた上で、台湾が今後の防衛体制を見直す必要があると警告している。政府はこのような脅威に対応するため、より厳格な措置を講じる必要が求められている。