テクノロジー

ソニーのフラッグシップ第二世代「α1 II」が登場…AIプロセッシングユニット搭載でAF性能が大幅強化

2024-11-19

著者: 裕美

ソニーは、フルサイズミラーレスカメラ「α1 II」を12月13日(金)に発売する。価格はオープン。市場推定価格は749,000円前後。

「αシリーズ」におけるフラッグシップの通称「第二世代」となるモデルで、2021年4月に発売した「α1」の後継機にあたる。前作の有効4050万画素の「高解像」と、最高撮影速度30コマ/秒の「スピード」を受け継ぎつつ、プロフェッショナル向けの機能が追加されている。新たにAIプロセッシングユニットを搭載し、「AF認識性能の向上」を実現し、あらゆる被写体に対して「圧倒的な成功率」で追従できる性能を持っている。

画質の向上には、有効4050万画素の積層型CMOSイメージセンサー「Exmor RS」が採用され、画像処理エンジン「BIONZ XR」との組み合わせが前作と同じ。さらに中~高感度域でのディテールを損なわずに低ノイズを実現した。

AF/AE追従で最大30コマ/秒の連写に対応するポイントは上記の通りであるが、「α1 II」ではさらに「プリ撮影機能」(0.03秒~1.0秒)と「連写速度フィルスト」を搭載した。これにより2024年1月発売の「α9 III」にも搭載される機能が期待されている。

コンポジットRAW撮影機能も新たに搭載。1度にRAW画像を複数枚(4枚/8枚/16枚/32枚)連写撮影し、PC上でImaging Edge Desktopを用いて画像をコンポジット合成できる。そのうえ、光量が不足しがちな撮影シーンにおいて、ノイズを低減した画像を得られる効果もある。

中型8.5段、周辺7.0段分の補正効果ももれなくスタジオ内手ブレ補正も搭載されている。

フォーカスエリアはXLとXSに追加。既存のXLとXSを組み合わせて選択できる。

AIによる被写体認識

「α1 II」のティックは「AIプロセッシングユニット」の搭載で、これが前作からの性能向上に寄与している。

主だったところでは被写体認識性能の向上である。α1 IIは人物、動物、鳥、昆虫、車/列車、飛行機の被写体認識に対応。前作は人物、動物、鳥のみに対応していた。

被写体の識別において、人は30%、動物は30%、鳥は450%向上しているという。また、ソニーでは初めて被写体の選択に「オート」を追加。設定を切り替えることなく被写体を認識できるようになった。

また人物の姿勢推定技術は、頭と体の情報を識別できるようになった。被写体の目と顔からの情報をもとに、高精度に認識でいるようになった。

AIプロセッシングユニットの搭載により、AWBの精度・安定性がさらに向上したという。カメラ前面に搭載された「可視光+IRセンサー」との組み合わせにより、特に日陰フィルんでより正確なホワイトバランスが得られるようになった。

動画撮影時のAF性能が大幅に向上

動画撮影時における「リアルタイム被写体認識」に対応。被写体の骨格情報と姿勢推定技術を用いた処理が可能で、被写体の形状や動きを高精度に認識できるようになった。

被写体認識「オート」が動画でも活用可能。RECを止められない動画撮影時において、認識対象を自動で切り替えられることでスムーズな映像が実現できる。指令レイヤーにも被写体の生態情報を意識した処理が可能で、被写体の状態に応じたベストな映像が得られるようになった。

被写体認識は静止画と同様に、人物、動物、鳥、昆虫、車/列車、飛行機に対しても対応している。リアルタイムトラッキングにも利用できる。

手ブレ補正機能としては「ダイナミックアクティブモード」を搭載。「アクティブモード」よりも補正効果が30%向上し、例えば小走りをしても安定した動画撮影が可能になっている。

被写体が構図内の同じ位置に保たれるようにトラッキングする「フレーミング補正」、被写体を追尾することで構図を調整する「オートフレーミング」機能も搭載されている。

そのほかにもLUTインポートやLog記録に対応して、AFアシスト、focusマップなど、動画撮影をサポートする機能がα9 IIIと同等に搭載されている.