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「反移民」「反エリート」で共振するトランプ氏と欧州右派 国家 rankings に打撃のリスク 「トランプ2.0」の激震

2024-11-10

著者: 裕美

ミッドターン選挙で共和党の勝利が確定した6日、トランプ氏といち早く電話で言葉を交わした外国首脳の一人がハンガリーの強権指導者、オルバン首相(61)である。トランプ氏との親密さをアピールするように、X(旧ツイッター)に「私たちには未來に向けた大きな計画がある!」と投稿した。

2人が盟友関係にあることはよく知られている。トランプ氏は選挙演説で何度もオルバン首相を「強い指導者」「素晴らしい男」と称賛した。オルバン首相も公然とトランプ氏を支持し、7月にはミズーリ州のトランプ氏の私邸に足を運んだ。

欧州連合(EU)内で批判され、異端視されることが多かったオルバン首相が、トランプ氏との親近感を強めることで存在感を増していく可能性がある。

オルバン首相が首相に就任した2010年以降、報道の自由や市民の独立、LGBT(性的少数者)への権利などへの制限が進んだ。自由民主主義の規範から逸脱した政策が批判され続ける中、オルバン首相はむしろ、自らの支持基盤である保守派、極右層に対するアピールを強化している。

EU指導者の一人が名指しで欧州における右派の台頭を懸念する中、自らの権力基盤を固めるため、オルバン首相は、移民、難民、少数民族への対立を煽り「反移民運動」を推進。また「反エリート」感情を巧みに利用しており、これもトランプ氏と共通する手法である。

最近のEU各国での選挙では、右派ポピュリスト政党の台頭が見られた。フランスの「国民連合」(RN)やドイツの「ドイツのための選択肢」(AfD)などがその代表である。これらの政党は、反移民・反エリートを掲げ、今後の選挙でもさらなる勢力拡大が予想されている。

今回の選挙での右派の躍進は、特にポーランド、ハンガリー、イタリアにおける影響力を強化する可能性を秘めている。アメリカにおけるトランプ氏の行動が、これらの国々の選挙結果にも影響を与えると言える。このフローが今後の世代に与える影響にも注目が集まっている。

また、トランプ氏のアプローチは、他の国々のポピュリスト政治家たちにも影響を与えている。今後、彼らがどのようにトランプ氏の戦略を参考にし、自らの政治運動に取り込んでいくのかが注目される。特に、「反移民」と「反エリート」というテーマがますます世界的な流行になっていることは見逃せない要素である。