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シリアで行方不明11万5000人、アサド前政権批判で抑圧…救う家族ら「責任の厳正追及を」

2024-12-20

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【ダマスカス・田峰樹】シリアのアサド前政権下で、約11万5000人が行方不明となっており、政権批判に関する抑圧が続いている。行方不明者が多いことから、行方不明者問題に対する社会的関心が高まっており、家族らは「責任を明確に追及するべきだ」と訴えている。

ダマスカスのある住居にて、複数の人権団体による調査に基づいた報告が行われた。この報告によると、行方不明者の中には、どのようにいなくなったかが全く不明な人々も多数含まれている。特に、当局に逮捕された後の情報が全く入らない場合が多く、家族は悲しみに暮れている。

主に、権力に対する抗議活動を行った市民や、政府の政策に対して異議を唱えたジャーナリストが行方不明につながっていると見られ、彼らの行方は今なお不明のままである。一部の人々は、政府が行方不明者を国家の安全保障上の理由で抑圧しているのではないかと疑念を抱いている。

さらに、シリアの人権団体や国際組織は、行方不明者数が年々増加していると指摘。最近の報告では、拘束された市民の多くが不当な取り扱いを受け、厳しい取り調べにさらされている実態が明らかになった。このような状況下で、囚人の健康状態や生存に関する情報が全く得られないことが多く、家族は心配の種を抱え続けている。

国際社会は、このような人権侵害に対して徹底的な調査を行うよう求めている。特に、アサド政権に対する制裁が強化されている中、行方不明者問題は根本的な解決が求められている。家族たちは、「この問題が注目されない限り、私たちの苦しみは終わらない」と声を上げている。

リスクを抱えつつ、家族たちは政府に対して責任追及を行い続けており、詳細な報告や証拠を集めている。彼らの闘いが、いつか真実を明らかにする日が来ることを願っている。シリア国内外で多くの方々にこの問題が知られ、支援が広がることが期待されている。