健康

山口さんの研究論文が学術誌『The Journal of Biological Chemistry』に掲載されました

2024-09-25

研究概要

山口宏子さん(指導教員:農学部応用生命科学科・永井健一教授)が執筆した論文「グルコスリジン、ポリオール経路からの特異な終末糖化産物と2型糖尿病における血管合併症との関連」が、6月13日に学術誌『The Journal of Biological Chemistry』に掲載されました。

研究の焦点

本研究では、糖尿病の進行や合併症を予測する新たな指標として、糖尿病患者の血中に見られる特定の終末糖化産物(AGEs)に焦点を当てています。特に、グルコスリジン(GL)の生成が主要なテーマであり、2型糖尿病による血管合併症との関連性が詳しく調査されました。GLは、糖尿病関連の病状を示す新たなマーカーとしての可能性を秘めています。

研究方法

研究は、動物モデルとして糖尿病を模倣したマウスを使用し、その体内で生成されるGLの量を測定しました。さらに、この結果を基に糖尿病患者174名を対象にした臨床研究が行われ、患者の血液中のGLレベルが健康な人々と比較して高いことが明らかになりました。特に、糖尿病合併症を持つ患者ではGLが有意に上昇していたことから、その関連性が強調されました。

今後の期待

未来の研究では、GLを用いた早期診断や治療法の開発が期待されています。永井教授は、「本研究によりGLが糖尿病の進行における有力なバイオマーカーとして注目されることを期待しています。これにより、糖尿病関連の病気の予防につながる可能性があります」と述べています。

発表予定

さらに、山口さんは9月17日に開催される第29回糖化ストレス研究会(大会長:永井教授)でこの研究成果について発表します。他大学の研究者や業界関係者からの注目も集まっており、多くの期待が寄せられています。糖尿病の新たな診断基準の確立に向けた研究が進行する中、GLの重要性がますます高まっています。今後の展開から目が離せません。