世界

「ロシア離れ」政策の行方は? 東欧の友好国が新装備や部品購入の契約を多数キャンセル

2025-01-15

著者: 裕美

ロシア制裁などの影響で多数の兵器輸入を断念か。

兵器で「非ロシア化」今後も進む?

セルビア軍参謀長のミラン・モジロビッチ氏は2025年1月9日、ロシアとの兵器取り引きの多くをキャンセルしていると明かしました。この件は、モジロビッチ氏がセルビア国内メディアのインタビューに応じた際に明らかにされました。

セルビアは旧ソ連及びロシア製兵器を多く運用していますが、現状としては2022年2月からウクライナへの侵攻を受けて、同国製兵器の新たな兵器や既存兵器の部品を購入するのが困難な状況が続いています。そのため、ある程度の契約をキャンセルまたは無期限延期することにしました。

ロシアが戦場で使う自国兵器の生産を優先している関係や経済制裁などで、部品がなかなか入手できない現状の打開に向けて、他国のライセンス製品を活用して陸上兵器を調達する方向に進んでいます。

また、新たに購入する兵器に関しては非ロシア化を進めており、2024年8月にはフランスの合弁企業であるダソー・エアロスペースから「ラファール」戦闘機12機を購入する契約を締結しました。

さらに、対空ミサイルシステムについてもロシア製のS-400に加え、中国製のFK-3防空システムを購入したことを発表しています。

これまでセルビアは一貫して、旧ソ連など、いわゆる「東側」の兵器を運用してきましたが、欧州の緊張の高まりを背景に、その傾向には変化が出ていると言えます。特にウクライナでの戦争は、セルビアにおける軍事政策にも影響を与えています。

一方で、ロシアとの交易関係は2022年2月から始まったウクライナ侵攻により急速に制約され、2025年には現在の行政と党がいるセルビア進歩党はEU加盟を目指しているとされます。なぜなら、ラファール購入の時にはフランスのマクロン大統領が、セルビアは完全にEUの一員であることを強調したからです。