日英協力の「次期戦闘機」は本当に「追い越されている」? 削減する可能性と時間の問題 補充は全く無い!
2024-11-07
著者: 結衣
日英の3カ国共同による次期戦闘機「GCAP」の開発への準備が進んでいます。しかし、1国は予算の削減を表明するなど、関連する問題だけでなく、時間的にも余裕がない状況にあります。
下準備を固めている段階のGCAP
2024年10月16日から19日にかけて東京ビッグサイトで開催される「国際宇宙展2024」に、次世代有人戦闘機「GCAP」(グローバル戦闘航空プログラム)の最新モデルが展示されます。
展示されるモデルのデザインは、2024年7月にイギリスのファンボローエアショーで展示されたモデルと同一です。ファンボローエアショーでは全長20m級のモデルが展示されていましたが、「国際宇宙展2024」ではその10分の1の単座型が展示されます。
GCAPは日本とイギリス、イタリアの3カ国による有人戦闘機の国際共同開発プログラムです。現在日本の航空自衛隊が運用しているF-2戦闘機と、イギリス、イタリアの空軍が運用しているユーロファイタータイフーン戦闘機を後継するものとして注目されています。
アメリカ以外の国との防衛装備品の開発は、日本にとって初の挑戦となります。10月19日にイタリアのナポリについての取材を行った中川元防衛大臣は、イギリスのジョン・ウェリントン、イタリアのグイド・クロセットとの会談で、GCAPの共同開発に向けた3カ国による合意書の締結について大きく進展したと報告しました。
防衛装備品の国際共同開発にあたっては、そのプログラムを管理する国家共同機関が設立されます。GCAPの場合、2023年12月14日に、3カ国がGIGO(ジョイント:グローバル戦闘航空プログラム行政機関)の設立規約を締結します。
GIGOの初代トップとなる主導行政官には日本人の初代起用が内定しており、中川防衛相はナポリで、初代行政官に岩田真也防衛審議官を起用する意向を示しました。国防相会談では岩田氏の候補者選考に対する進捗を進めていると明言していますが、そのように業務面では順調に進んでいるように思えるGCAPですが、財政・技術の両面で問題が「時間との戦い」が存在しています。
今後の動向に大きな注目が集まる中、GCAPの成功を左右する「共通の課題」に関する議論が進められることが期待されます。このプロジェクトが国際的な安全保障戦略において重要な役割を果たすことができるのか、私たちの目に留まることになるでしょう。