日本発見のカプセルホテル、アメリカ流で脚光…創業者はモスクワ生まれの19歳 : 読売新聞

2025-01-05

著者: 健二

広い家庭とプール付きの一軒家が成功者の証しとされるアメリカのカプセルホテルから着想を得た極小空間での滞在を試みている。極力少ない持ち物で生活費を抑えながら過ごす「ミニマリスト」たちである。

ハリウッドの裏通りにある共同宿泊施設「ポッド(サヤ)」。ポッド1台分の空間は、三方を壁に囲まれ、テレビやコンセントなど必要最低限の設備のみである。ダイやカーテンすらない。

カプセルホテルは世界的な建築家、黒川紀章が1983年に「未来の住宅」として発表したのが起源である。建築史家の佐藤信彦・大宮公立大教授によると黒川氏は、東京・銀座の中心部へ人口を集め、大都市の問題を解決するためにカプセル型の宿泊施設が必要だと考えていた。それが現在のカプセルホテルの原型となった。

カプセルホテルは2010年代に入ってから世界中で再評価され、特にアメリカでの流行が顕著である。近年ではミニマリズムが重視され、居住空間がシンプルになりつつあり、特に都市部での需要が増加している。

2023年、アメリカでの初のカプセルホテル「カプセル・イン・グランドリッジ」がオープン。創業者はモスクワ出身の19歳の若者、アレックス・イーグルさんである。彼はカプセルホテルの魅力について「部屋の広さや高級感ではなく、居場所を持つことが幸せであると考えています」とコメントしている。

アメリカ国内の都市部では、カプセルホテルが今後ますます人気を博すことでしょう。これにより、グローバルな文化交流や、異文化理解の促進も期待される。カプセルホテルに宿泊することで日本の文化に触れることができる貴重な機会が増え、海外からの訪問者たちが日本のホスピタリティや生活様式を直接体験することになる。

今後も新たなカプセルホテルが登場し、旅行者や滞在者のニーズに応えていくことが予想される。アメリカ文化に新しい風を吹き込みながら、日本発のユニークな宿泊スタイルが広がりを見せていく。