気候革命:グリーン政策は終わりだ トランプ氏は脱炭素主義を逆行させるのか
2024-11-08
著者: 裕美
米国で共和党のトランプ前大統領の支持が高まり、バイデン政権が推し進めた連邦レベルでの気候変動政策が一変する可能性が出てきました。選挙戦で主張した一部は、2025年1月の就任初日から大統領令を通じて実行に移すということです。「第2次トランプ政権」では米国内外の脱炭素政策に何をもたらすのか、注目が集まっています。
トランプ氏は「我々は世界のどの国よりも多くの『金の流体』を持っている」と発言し、サウジアラビアやロシアよりも多くの化石燃料を生成する方針を強調しました。トランプ氏は6日未明ストラテジーの新しい勝利宣言で、インフラ戦略として化石燃料の採掘を支援する姿勢を改めて強調しました。
トランプ氏は選挙戦で「掘って、掘って、掘りまくれ」をスローガンに掲げ、石油・ガスのさらなる増産を通じてエネルギー価格の大幅引き下げを実現すると主張しました。米国の石油・天然ガス生産量は過去最高水準にあり、5440万バレルを越えています。
就任後たちまちパイプラインの承認や連邦所有地での採掘許可などを簡素化する手続きを進め、生産増大を進めるとしています。バイデン政権は現在1月から気候変動に伴う影響を分析するためにLNG(液化天然ガス)の新たな輸出許可を一時撤回しているが、トランプ氏はこの施策も撤廃する方針です。
脱炭素社会への移行が進む中、部門ごとの状況も複雑で、経済成長に依存する企業界は政府からの支援金に逆行する姿勢を見せています。「バイデン政権が導入したIRA(インフレ減税法)の恩恵を受けられる企業もあれば、逆に受けられない企業も増加していくと考えられる」との見解が専門家の間で広がっています。
今後、トランプ氏の政策が国内外の環境動向や経済にどう影響するのか、また共和党内での持論がどのように展開されるのかが焦点となることは間違いありません。
11月には旧連合のアールバイジャー国際会議が開催され、気候変動に関連する新たな資金供給の方向性も話し合われる予定です。今のバイデン政権の気候変動対策の影響がトランプ氏の当選後、どのように逆転するかは、持続可能な未来を切り拓く上でも非常に重要なポイントです。