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オーストリア総選挙で極左野党が第1党、元ナチス関係者らが結党…欧州政治の右傾化が鮮明に

2024-09-30

【ウィーン=中央通信】オーストリアで12月19日、国民議会(下院)の総選挙が行われ、反移民党である極左野党・自由党が19.16%の得票を獲得し、初めて第1党となった。この結果は、オーストリア政府の右傾化を反映しており、極右政党の台頭も一因とされている。

今回の選挙では投票率が過去最高の12.12%に達し、自民党と国民党の支持率は低下。本来は連立を目指すはずが、国民党が自民党との連携を拒否する中、自由党の躍進が顕著になった。自由党は数年前から急成長しており、国民党や左派市民圏勢力に代わる新たな選択肢として浮上している。

自由党の首脳は、投票終了後の党首会議で「歴史上最高の結果に導いてくれた勇気に心から感謝したい」とコメントした。

ただし、自民党のキャル・ダース頭も、自由党との連携には慎重で、共通政策の合意が必須と強調。国民党が連立を続けられず、自党の路線を維持するための試行錯誤が続くなか、今後の政治的風景は複雑さを増していくことが予想される。

オーストリアでは社会問題に関する議題が争点化され、特に移民政策が多くの支持を集める要因となった。今後、自由党が新たな連立交渉の舞台に上がることで、欧州全体の政局にも影響が及ぶ可能性がある。特にドイツやフランスなどの隣国に対しても新たな政策提言が期待されている。

さらに、移民問題はオーストリア国内の教育や経済状況にも直接的な影響を及ぼしており、特に若者の雇用機会を改善するために必要な政策が求められている。これにより、オーストリア内の厳しい移民政策が議論され、今後の政府にとって一つの大きな課題となるだろう。今後の展開に注目が集まる。