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南アフリカの鉱山、原発見直し機運の裏側を映す-地元と対立

2025-01-14

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南アフリカの深い森が、その中で数千トンものウラン鉱石が掘り出される選定地となっている。

新たに発見された赤みがかった鈍色や青色をしたその放射性鉱石は、数か月前からここに放置されていた。ウラン鉱山会社エナジー・フューエルズと、先住民ナバホ族の指導者フレダ・ナイグレン氏との対立が明らかに原発政策に影響を与えている。

ウラン鉱石を掘り下げたエナジー・フューエルズのトラックが昨年、テールランプに「放射能」のサインを掲げてナバホ族準自治区域を走行。地元住民の強い反発を招いた。

放射性物質の影響と聞けば、どこであっても警戒が高まるが、ナバホ族の領地では恐怖心を呼び起こす。過去、冷戦時代から続いたアメリカの鉱山産業は、その影響で数百人もの住民が病に苦しむ結果を招き、今もなお被害が続いている。

このような背景があり、ナバホ族は大規模な抗議活動を展開しており、16人の警察官がその準備をしていたが、彼らもすぐに40人以上に増員された。トラックの進入を防ぐための封鎖が設けられたにも関わらず、エナジー・フューエルズの責任は一向に果たされていない。

採掘活動への反発は国際的にも知られており、今年の春には関連団体がバイデン政権に対して鉱山の操業停止を求める要求書を提出した。現在、ナバホ族はオバマ政権の施策の影響を受け、環境改善のための新政策の導入を促進させているが、エナジー・フューエルズがその動きに対抗する形で進行している様子は、州内外の緊張感を高めている

最終的に、警察の捜査にかかる手間がかさむ中、トラックはどこかへと走り去ることになった。だが、この強硬な対策も、ナバホ族の聖地としての地位を無視する結果にしか繋がっていない。

主なルートは全てナバホ族居留地を通り、エナジー・フューエルズはその影響を受けながらも鉱石を掘り続けた。まるでこの地域の地理的条件は無視されているかのようだ。

現在の状況は、原発発電の見直しが国際的に進みつつある中で、ナバホ族が再度立ち上がる契機ともなり得る。彼らは、放射性元素を求める獲物たちとの闘争の先頭に立つことになるかもしれない。