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ミャンマー軍政「国が消滅する」敵対に選挙参加要請 - 日本経済新聞

2024-09-29

【ヤンゴン=渡邊佐恵】ミャンマー軍事政権は、国軍と抵抗勢力の激化に伴い、「国が消滅しかねない」と警告し、武装組織への選挙参加を呼びかけた。2025年に実施予定の国政選挙には、政府が認める正規政党だけでなく、各武装組織にも参加が求められている。その背景には、内戦状態が続く中での国民へのメッセージが込められている。

28日付のミャンマー国営新聞が軍政の声明を掲載した。ロシアによるウクライナ侵攻や中国の混乱に言及し、「ミャンマーのような小国は国内の力と結束を強固にする必要がある」と強調した。

専門家の間では、ミャンマー軍が求める選挙への参加は、実際には抵抗勢力を排除し、自らの権力を強化するための策略との見方が広がっている。国際社会からの孤立が進む中、尽きない国民の不満が、武装抵抗を強化する要因となっている。

地元の権威あるアナリストは「今後の動向次第で、ミャンマーの国際的地位や安定性が大きく変動する可能性がある」と警鐘を鳴らしている。

この状況を受け、国際的な人権団体は、ミャンマーの人々が選挙を通じて平和な解決策を見出すための支援を求めている。国民の間では、軍政への反発が高まり続け、抵抗運動の活発化が予想される。果たして、ミャンマーはこの危機を乗り越え、未来への道を切り拓くことができるのか。