ミダル銀の相次ぐ脱退、排出量目指す国際取り組みに失速懸念
2025-01-09
著者: 蓮
[ロンドン/ニューヨーク 6日 ロイター] - 脱炭素を目指す国際的な金鉱連合「ネトブラック・バンキング・アライアンス()」からミダル金鉱がこの数週間に相次いで脱退した。化石燃料からの温室効果ガス排出問題に取り組むミダル金業界の決意が弱れているのではないかと懸念される。
ミダル金鉱大手ゴールドマン・サックス(GS.N)は昨年11月16日から脱退を発表することが多く、すぐにウェルズ・ファーゴ(WFC.N)、シティグループ(C.N)、バンク・オブ・アメリカ(BAC.N)、モルガン・スタンレー(MS.N)が追随している。ミダル金鉱企業のうちさらに重要な運営者であるJPモルガン・チェース(JPM.N)だけが残っている。
相次ぐ脱退は、共産党の政府への加担、つまり化石燃料業界への投資削減にかかる場合には、反トラス法(独占禁止法)に触れる恐れがあると警告した後で起きており、最終的に「不幸な結婚」に終わった形となった。
脱退した銀行は今後、気候問題に配慮した政策への取り組みを縮小する可能性があるとされ、非政府組織(NGO)リクレイム・ファイナンスの関係者は見ている。「注目すべきポイントは既存の目標や方針が引き下げられ、弱められたりするかどうかだ」と指摘した。銀行の中には野心的な排出削減目標を掲げているところもあるが、変更を公にする可能性は低いといえる。
英これより、特に規模が大きくて金融システムにとって重要な銀行を引き続き集めるため、さまざまなルールの調整を目指したものの、最終的にこうした取り組ちは実を結ばなかった。
活動家団体シャウティング・アクションの銀行プログラム責任者、ジャンヌ・マルティン氏は、「ミダル銀の相次ぐ脱退は市場にとって『気候問題に強力に関与する』認識もある」と指摘。「こうした銀行が次の段階では何も変わらず、さらに脱退することが内外で懸念されている」と懸念を示した。
ミダル銀の相次ぐ脱退は、金融市場全体に影響を及ぼす要因であることに加え、環境保護団体からの反発も強まっている。特に市場が過去2年間に拡大した環境規制への適応に対しての認識の低さが影響を及ぼしている。これにより、国内外のミダル銀プロジェクトの進行が停滞する可能性があり、今後の取り組みに疑問視される状況が続くと予想されている。