米国の金利上昇リスクに身構える円ドル・160円台で織り込まれる警戒
2025-01-10
著者: 花
米国の金利上昇の発表を控え、トレーダーは円相場に関して急激な変動や政府・日本銀行による円買い介入への警戒を高めている。
円相場は対ドルで160円台に近づいており、金利上昇が好調ならその心理的節目に達する可能性があるとストラテジストは認識している。160円台を突破すれば、1986年以降の安値161円95銭が視野に入る。
日本の外為市場では、一時158円55銭まで円安が進み、日本の通貨当局が最終的に円買い介入に出た昨年7月以降の安値を付けた。日本時間の10時前は158円台前半で推移している。
マネックス証券のタカセ氏は「ドルを買わせることができない」と指摘し、160円が近づけば円買い介入が実施される可能性があるが、口先介入が先だろうと予想している。
加藤勝信財務相は、円安市場に「一方向的、急激な動向が見られる」とし、「行き過ぎた動きに対しては適切な対策を講じる」と市場を見守っている。日本の通貨当局は2024年に4回の円買い・ドル売りを行い、計15兆円以上を投じた。
日米の金利格差を背景に、円は4年連続でドルに対して下落。米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを続けており、日本銀行は追加利上げのタイミングが不透明なため、円は下落基調が継続する見通しが強い。市場では、ドル売りの圧力が強まることを警戒している。
また、円安の影響を考慮すると、日本の物価は前年同月比で上昇傾向にあることが浮き彫りになった。米国においても物価上昇が続いており、企業の価格転嫁が進んでいる中で、日本円の持続的な弱さは、他国の市場におけるリスク要因ともなりつつある。
11月に行われる日銀の会合では、円安の影響がどのように影響を及ぼすかが注目されており、投資家たちは注意深く市場を見極めている。今後の金融政策の方向性次第で、円相場はさらなる変動リスクを孕んでいる可能性がある。