マイクロソフト株下落、クラウド事業見通しに失望感 - 利益率減少へ
2024-10-30
著者: 裕美
米マイクロソフトが30日発表した10-12月(第2四半期)見通しは、期待外れとなり、株価は一時14%下落した。クラウド事業の売上高高の傾斜減少や利益率減少、経費増加の見通しを投資家に明らかにした。
7-9月(第1四半期)決算発表後の電話会見で、同社部門は10-12月期のクラウドコンピューティング部門「Azure(アジュール)」の増収率が31-32%になるとの見通しを示した。7-9月期は為替変動の影響を除いたベース34%で、前期の35%から減速した。
エイミー・フット最高財務責任者(CFO)はアジュールの成長鈍化に加え、商用クラウド事業の利益率が減少すると指摘し、Bingサービス強化に向けた設備投資が増加するとの見通しを明らかにした。
7-9月期売上高は444.95ドルに上昇していた。通常取引終値は432.53ドルだった。
この日発表した7-9月期売上高は16%増の656億ドル(約10兆6600億円)。1株利益は3.30ドルに増えた。ブルームバーグの調査によると、アナリスト予想平均は売上高645億ドル、1株利益3.11ドルだった。
サティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)は、提携先のオープンAIの提供するChatGPTモデルを活用した製品ラインの見直しを進めている。現在は、強化されたスピードと効率分野で十分な有料顧客を獲得し、マイクロソフトの長期的な成長に寄与することを目指している。
一方、企業は自社のAIアプリケーション開発に向けマイクロソフトのデータセンター整備能力を活用し、アジュール事業の需要を拡大している。
7-9月期はS&P500種株価指数が5.5%上昇したにも関わらず、マイクロソフトの株は3.7%下落していた。ウォール街では、同社がBing投資からまだ十分な利益が現れていないとの懸念が広がっている。