減量薬と進化した対策が肥満症治療に効果、「可能性切り開く」とWHO
2024-12-19
著者: 愛子
[ロンドン 18日 リタート] - 世界保健機関(WHO)は今週、デンマークのノボノルディスクやミルライリーに関連する新たなクラスの治療薬が、健康的な食事や他の医療施策と併用されることで効果が現れる可能性があるとの見解を表明した。
WHOによると、世界中で1億人以上が肥満で、各地で問題が深刻化している。肥満関連死は2021年に5100万人に達した。WHOは、新たなクラスの治療薬の使用が「肥満症パンデミック(世界的流行)の終息の可能性を切り開く」との見解を示した。
WHOのチーフサイエンティストは、米国医師会雑誌(JAMA)に寄稿し、「革命をもたらす可能性がある」と見解を説明した。同誌の見解に基づき、WHOによる新たな治療薬の可能性に言及したのは初めてである。
寄稿文では「薬物治療だけでは肥満問題に対処するには十分でない」とも述べている。肥満は最善の予防と治療の研究がこれまで以上に必要な慢性病とされ、入院医や各国政府、製薬業界、一般の人々が認識を改めるよう促進する必要がある。さらに、WHOは肥満治療のために新たな指針を策定中で、早ければ来年にも発表予定だ。
肥満症はただの体重増加ではなく、さまざまな健康リスクを伴う病気であり、心臓病、糖尿病、さらには特定のがんとの関連性が指摘されている。特に、2020年の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックでは、肥満患者が重症化したケースが多く見受けられ、この問題がより一層注目されるようになった。
この世界的な健康問題に対する対策として、肥満治療薬や食事療法、運動プログラム、心理的サポートの統合的アプローチが期待される。一方、新たな治療薬の開発は進んでおり、今後数年で市場に投入される可能性がある。これにより、多くの人々が手軽に肥満症から脱却できる日が来るかもしれない。