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ファーストリテイリング、24年9月期業績利率7.4%増 中国は予想下回る
2025-01-09
著者: 結衣
【東京 9日】ファーストリテイリング(9983.T)が9日発表した2024年9月期連結決算は、営業利益が前期比で7.4%増となる1兆7155億円だった。同じ期の最高記録となった。主力ブランド「ユニクロ」においては、中国が大幅減益だったが、東南アジアや欧米の一部の海外、国内での販売は好調だった。
2025年8月期通期の連結営業利益見通しは予想以上の5兆1010億円を見込んでおり、業績はまずまず続く見込みだ。特にアジアでは、高価格帯商品の販売が伸び、全体の売上に寄与している。
一方、成長が鈍化している中国市場について、同社は「依然として強い需要があるが、一部の商品カテゴリーでは不振が続いている」と述べ、売上高については前回予想を下回るとの見通しを示した。また、秋冬商戦での消費意欲が高まりつつあるものの、過去との比較で厳しい状況が続いているという。
最近の消費者行動について、アナリストは「生活費の高騰により、消費者がよりコストパフォーマンスを重視する傾向にある」と分析しており、特にファーストリテイリングのような価格競争力の高いブランドにとってはチャンスが広がっていると考えられる。
このように、ファーストリテイリングは全体としては順調な成長を遂げているものの、中国市場での厳しさが業績に影を落としている。今後の展望としては、アジア市場における需要の回復や商品の見直し、さらなる販売促進策の強化がポイントとなるだろう。
特に、新たな商戦戦略に注力し、消費税や国際物流の影響を受ける中でも、ブランド強化を図る方針を示している。今後の動向に注目が集まっている。