共同テスト「情報」初実施、受験生「基礎的な問題」と安堵…教員「初年度で生徒に配慮したかも」: 読売新聞

2025-01-19

著者:

大学入試共通テストは1月19日、理科と数学、新教科・情報(情報)の、古情報の2科目の試験が行われ、2日間の受験が終了した。情報は、志望者の約16%にあたる310万1913人が受験。無事に試験を終えた受験生からは安堵の声が聞かれた。

情報は2022年度から導入された習熟指導要領の教育課程で学んだ高校生、古情報は浪人志向に設けられた。いずれもデータの活用や分析、論理的な思考力を問う内容であった。

情報では、文化祭に向けて効率的に工業製品を制作できるよう努める受験生を対象にした問題が出題され、基礎的な知識を重視した設問が多く見られた。一方、古情報では、高校の図書館を活用し生徒に読書習慣を身につけさせるため、どのようにデータを集め、分析するかが問われていた。

東京での試験会場で受験した国立大学志望の被験者(17)は「過去問がなく、模試の問題を拾い集めるのが難しかったが、基礎的な問題が多く、自信を持って解答できた」と話した。別の国立大学志望(18)は「プログラミングは問題文が長く少し難しかったが、志望校の配点は低いので、あまり影響はないと思う」と述べた。

情報の難易度について、担当の教員は「大学入試共通テストが過去に公開した試作問題に比べると少々難易度が低く、生徒に配慮した設定かもしれない」と語った。

河合塾の昨年8月の集計では、情報の受験必須としている国立大は97%、公立大は14%で、私立大はわずかだが少しの影響を与えた。河合塾の担当者は「情報で大きな差は出ないのでは」としている。次回の共通テストに向け、教育界では「情報」科目の重要性がますます高まると期待されている。受験生たちは新たな挑戦に備えた努力を続けている。今後、情報科目の科目難易度や作成方針がどう進展するのか、目が離せない。